いよいよ来年のQ1にOculusRift一般販売(Oculus TouchはQ2発売との事)を控えた今日この頃。
しかしVRの普及に対しては疑問の声も上がっています。

日本と欧米の違い


ジャーナリストの新清士さんが10/13のOculusConnect2報告会で発表された内容によれば、欧米では非常に盛り上がっているが、その盛り上がりがそのまま日本でも起きるとは限らないとの事。
と言うのも日本と欧米では違いがあるからです。

・日本は欧米に比べてPCゲーム市場が小さい→VRを楽しめるハイエンドなグラフィックボードを積んだPC環境のある人が少ない
・日本は家庭用ゲーム機も最新世代の物は普及が遅れている(PS4は全世界で2500万台以上、日本では170万代)

逆に言えば日本以外での欧米では非常に有望な市場になりえるとの事。

・欧米圏ではコアゲーマーがモバイルからPCや家庭用ゲーム機に回帰している
・PCゲームユーザーの5~6%がOculusRift推奨スペックのグラフィックボードを積んでいる→600万人以上
との事。

「Oculus Connect2報告会」ライブ配信録画

知られざる日本のVRの歴史


日本と欧米でのVRの温度感の違いには他のファクターもあるのでしょうか。
9/11に開催されたVR学会大会の特別講演「VRの黒歴史」を聴講して、Oculus以前から日本ではVRの研究が盛んに行われていた事実を私は初めて知りました。

VRブーム再び、歴史は繰り返すか?「VR黒歴史」から展望するこれからのVR

記事によれば、VR、バーチャルリアリティという言葉が欧米で生まれたのが1989年。
その後1990年代に世界的なビジネスと研究のブームが起きたそうで、今回のブームは2回目にあたります。
日本VR学会が生まれたのは1996年です。
VR学会の学会誌の概要を見る限り、今盛り上がっているHMDどうこうよりももっと広い視野でのVRを扱っているようだなと感じます。

1990年当時、アメリカの企業が自分の動きに合わせて3D映像が動くHMDをすでに開発していました。
これを使って松下電工が制作したのが3Dショールーム。
これはお客様がVR空間でオーダーメイドのシステムキッチンをデザインできるという物でした。
この3Dショールームはかなり好評だったらしいですが、HMDブームが起きたという所までは行かなかったようです。
設備コストがかかるとの事で、OculusRiftに比べるとかなり大がかりで高額なシステムということで普及しなかったのかもしれません。

家庭で乗馬療法が出来るマシン、ジョーバ。
ジョーバの歴史については以下リンク参照

ジョーバの歴史

これは改良を重ねて現在も発売中なので、日本におけるVRの成功事例と言えるのでは。

1996年にデビューしたバーチャルアイドル、伊達京子。

Kyoko Date – Love Communication PV

3分半の映像を作るのに半年かかってしまうなどつらい点があったようです。

岐阜のVRテクノセンターでは昔からさまざまなVRのソリューションがあったようです。

株式会社 VRテクノセンター

私はこれらの日本のVRの歴史をそれまでまったく存じませんでした。
という事は日本のVRの温度感という物はそれが本来で、現在のHMDブームは欧米だけで盛り上がっている日本と無関係の物なのでしょうか?

OculusRiftが生まれた背景


そもそも私が今回のVRブームに触れたのは2013年末頃、twitterのUnity界隈でにわかにOculusRiftDK1が盛り上がりを見せた頃でした。
OculusRiftが生まれた背景はどのような物だったのでしょうか?

Oculus Rift – Wikipedia

ウィキペディアによると、Oculus創業者のパルマー氏は元々「FOV2GO」プロジェクトのメンバーだったそうです。
このプロジェクトは南カリフォルニア大学のMxRラボで行われたもので、タブレットやスマホを使ってハコスコのような物を開発して没入型VRを実現するものだったようです。

https://vrwiki.wikispaces.com/FOV2GO

オープンソースの設計図などがリリースされたのが2012年の3月4日です。
その年のE3ではすでにRiftのプロトタイプが展示され、キックスターターが始動しました。

この動きの速さからすると、パルマー氏はFOV2GOプロジェクトの中で、すでにその発展形としてのRiftの構想が生まれていたのではないでしょうか。

その後は公式サイトによれば2013年3月30日にDK1が出荷開始。(キックスターターで2012年8月15日にバックしていたゆーじさんの元にDK1が届いたのは2013年5月11日でした)

Oculus Rift届きました!(フォトレビュー)

DK1の価格は300ドルで、累計出荷数は7万台以上です。

VRヘッドマウントディスプレイOculus Riftとは何か?

DK2が出荷開始したのは2014年7月25日です。
DK1の出荷後、日本の開発者の間でOculusRiftの盛り上がりは加熱してたくさんの独創的な体験ができるアプリが発表されました。
DK2の予約数も20,000~25,000台の内3,000台が日本からの予約という状況になり、パルマー氏はまさかのDK2日本出荷最優先を決定しました。

「 Oculus VR 」の創業者パルマー・ラッキー氏はなぜ日本の開発者に魅了されたのか? ― Unite Japan 2014 レポート

DK2の価格は350ドルで、2015年2月段階で出荷数は10万台を超えていました。

2014年9月3日にはOculusとSamsungが共同開発したGearVRが発表されました。
GalaxyNote4に対応したSamsung Gear VR Innovator Edition for Note 4は2014年12月には米国で発売されたようですが、これは日本では発売されませんでした。

サムスンGear VR が米国で発売。Galaxy Note 4を挿すVRヘッドセット、Oculus製ソフト搭載

2015年5月29日に日本でもGalaxyS6に対応したGear VR Innovator Edition for S6が発売。
当初はビックカメラなどの一部量販店でWeb通販のみの取り扱いでしたが、その後店頭でも販売されるようになったようです。

他の動きとしては2014年3月にFacebookがOculus社を買収する事が発表されました。

米フェイスブック、仮想現実端末のオキュラス買収 2千億円

2015年6月11日にはMicrosoftもOculusとパートナーシップを結ぶことが発表されました。

OculusとマイクロソフトがVRゲーム業界を征服するために手を組んだ

さしあたってはRiftの製品版にXBoxOneのゲームパッドが付属するようになるそうです。

2015年9月25日のOculusConnect2ではマインクラフトのRift対応が発表されました。

マインクラフトがVRヘッドセット「Oculus Rift」に対応、仮想空間でマイクラ三昧が可能に

こうして書いてみるとOculus社は破竹の勢いって感じですね。
1990年時点でVRシステムキッチンにアメリカのHMDが採用されたように、FOV2GOプロジェクト以前から欧米のHMDの研究は進んでいたと思われますが、その詳細は判然としません。
軍事用途の研究も盛んだったようで、アメリカの軍では戦闘機や戦車の照準用にHMDが実用化されているようです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/JHMCS

日本でのHMDの歴史


OculusRiftが登場する以前の日本のHMDでの状況はどのような物だったのでしょうか?

ヘッドマウントディスプレイ – Wikipedia

ウィキペディアを見ると沢山の製品が紹介されてますが、知らない物ばかりですね。
おおまかには視界をふさぐ没入型/ふさがない透過型、単眼/両眼というように分類されるようです。

【ヘッドマウント・ディスプレイ】メガネ型のウエアラブル機器、スマホ革命で再び表舞台に

↑こちらの記事ではRecon Instruments社の「MOD Live」「Recon Jet」を紹介してますが、”再びHMDの開発ブームが再燃している”という言葉が気になります。つまり、かつてもHMDブームはあったという事ですね。
ちなみにMOD Liveはスキー用ゴーグルの視界の隅に雪山での位置や方位、高度、滑走速度を表示するもの。
Recon Jetはサイクリングやランニングで走行距離やスピードを表示したりカメラが付いてて動画撮影などもできるようです。

それではかつてのHMDブームに生まれた製品を眺めてみましょう。

任天堂

バーチャルボーイ

→有名ですね。1995年発売。15000円。国内出荷数15万台。世界出荷数77万台。

HVC-031 3Dシステムスコープ

→これは一体…ファミコンの周辺機器。1987年発売。6000円。

フィリップス

スキューバ

→Wikipediaから概要を引用。
1990年代半ばに発売され、一般向けに販売されたHMDとしては初期の部類に属する。当時はどこででも当時の一般的なCRTと比較して値段の割りに画質 が良くなかった。過渡期の製品だったという事もあるが、同時期の民生用HMDがどれも完成度が不十分だった事が現在まで至るHMDの普及低迷に影響を与えた。

ソニー

グラストロン

→1996~1999年発売。価格は58,000円~298,000円。

HMZシリーズ

→2011年~発売。HD有機ELパネル搭載。価格はT1が59,800円、T3が約8万円、T3Wが約10万円。

タカラ

ダイノバイザー

→Wikipediaから引用。
1996年の 秋にタカラから38,800円で発売された。3m先に120インチの画面を体感できるというキャッチフレーズで当時としてはカラー表示のできるHMDとし ては画期的な値段だったが、18万画素の1枚の液晶を両目で見るため画質が十分ではなく、普及には至らなかった。また、前年にバーチャルボーイが発売されていたことにより、既に目新しさが薄れていたとする意見もある。

オリンパス

Eye-Trek

→両眼没入型。1998年発売。65,000円。

キヤノン

GT-270

→両眼没入型。1999年発売。85,000円。

島津製作所

Data Glass

→単眼式。2000年発売。価格不明。

DaeyangE&C

i-Visor(アイバイザー) FX601

→両眼没入型。800×600有機EL。2005年発売。367,500円。

スカラ株式会社

Teleglass T4-N

→両眼透過型。640×480ピクセル。2007年発売。134,400円。

有沢製作所

i-Bean

→単眼用。アナログTVチューナー内蔵。2007年発売。ツクモ特価34,800円。

ニコン

UP300・UP300X

→ヘッドホンと一体型。単眼式。2008年発売。59,800~69,800円。

Vuzix Corporation

iWear AV920

→両眼没入型?640×480ピクセル。2009年発売。ツクモ特価49,900円。

日本バイナリー株式会社

nVisor SX111

→両眼没入型と思われます。視野角111°はDK2の110°より1°上だ。アクロバティックな見た目がカッコいい。2010年発売?価格不明。

Z800 3DVISOR

→両眼没入型。360°ヘッドトラッキング。2006年発売?700ドル程度だった模様。

セイコーエプソン

MOVERIO BT-100、BT-200

→両眼透過型。androidで手元のコントローラ部でリモコン操作。2011~2014年発売。7万円くらい。

カールツァイス

Cinemizer OLED

→2012年発売。749ドル。解像度870 x 500ピクセル。HDMI入力ができてポータブルで使えるという事で、ドローンの撮影映像を見ながら操縦するのに利用されているようです。

Google

Google Glass

→言わずと知れたGoogleGlass。android4.4.2内蔵。単眼型。2013年発売。2015年1月に販売中止。1500ドル。

ウエストユニティス

Inforod、InfoLinker

→単眼型。android4.2.2内蔵。400×240ピクセルの超小型ディスプレイ。2014~2015年発売。125,000円より。

テレパシージャパン

Telepathy Jumper

→普段は首にかけてて必要時に目にかける。android4.2内蔵。2015年発売。180,000円。

こうして羅列してみると、昔から沢山の種類のHMDが日本で流通していた事がわかります。
90年代後半から2000年にかけて各メーカーから様々なHMDが一斉に発売されたのが第一次HMDブームと言えるでしょう。
何故ブームが収束してしまったのか。断片的な情報からの推測になりますが、
まず価格が高く、一般層への普及が難しかったこと。
そして液晶の性能の問題で、解像度が荒かったり表示領域が小さいなど、通常のディスプレイで見た方がマシだった。
という事が挙げられると思います。
生まれるのが早すぎた製品という事でしょうか。
それでも一部の層には強力に支持されていたとの事で、このHMD大好き層は日本のHMD市場を牽引してくれる可能性を持ってそうです。

2000年~2010年は大手メーカーはHMDから撤退して、一部のメーカーが散発的に新商品を出すにとどまっています。
HMDの冬の時代と言えそうです。

2010年ごろから再びHMDの発表が増加しています。
第二次HMDブームです。
最初のブームと異なり、androidを内蔵してウェアラブルコンピュータとしての側面を持ったスマートグラスのような製品が多いです。
冬の時代の間にインターネットの爆発的広がり、スマートフォンの普及などを経て、HMDに要求されるニーズも変化しました。
液晶の技術も進化して、十分な解像度を得る事ができるようになりました。
とは言え価格は10万円以上する物が多く、家庭への普及と言うよりは業務利用がメインターゲットとなっているようです。

さて、このようなHMDの歴史の流れの中に、来年のOculusRiftが投入されるとどうなるのでしょうか?
そもそもRiftはゲーム用途がメインに開発されてます。
任天堂の3Dシステムスコープやバーチャルボーイ以降はそのようなHMDは無く、流れを覆す製品となるのかもしれません。
Riftが提供する価値は、狭い部屋でも迫力のスクリーンでTVが観れるとか、そういうちょっとした利便性を超えた物、人工現実の提供なのです。

私は10/18のアンリアルフェスでPSVRのサマーレッスン2014を体験しました。
隣に女子高生が座ってます。
私が実際に立って回り込めばVR内でも女子高生の後ろに回り込んでノートの内容も覗けます。
えらい事です。
女子高生とイチャついてる私の方が現実の私で、今こうしてブログ記事を打ち込んでる私が嘘の私なのではないかしら?
それほどの体験を提供してくれるのがVRHMDです。

それでも買わないのか!?

国内VR市場試算


新さんは世界の潜在OculusRift市場は600万人だと試算されました。
日本国内だと現時点の潜在市場規模はどれくらいなのでしょうか?

Steamの世界ユーザー数は1億2500万人だそうです。

[GTMF 2015]Steamでゲームタイトルを販売するとはどういうことなのか──DEGICAの展開するSteamパブリッシングの本質と将来性を聞いた

凄まじい数ですね。
その内日本人ユーザーは1%に満たない。
という事で日本のPCゲームユーザー数を100万人としましょう。
新さんの情報ではPCゲームユーザーの5%がRiftの推奨スペックグラフィックボードを積んでいます。
日本の潜在Riftユーザー数は5万人となります。
潜在ユーザーの20%が実際にRiftを買うとすると実際のRiftユーザー数は1万人となります。

さて、仮に自分はVRのコンテンツを作って販売しようとしているとします。
1人で1年間フルコミットしてVRのゲームを作りました。
1人年という事で、600万円くらいは回収したい所です。
1000万くらい売り上げられればペイできるでしょう。400円で販売するならば、2万5千本売り上げればOKですね。

日本のRiftユーザー1万人の内、30%の人が購入してくれたとすると、3000本で120万円の売り上げ。
…赤字ですね。
もし日本向け限定じゃなくて世界市場に向けて販売したらどうでしょう?
潜在ユーザー数が100倍になるので、単純計算で売り上げ1億2千万円。
…ウハウハですね。

Rift以外の市場はどうでしょう?
GearVRについては、GalaxyS6およびegdeを持っている人たちがそのまま潜在ユーザー数となるでしょう。
サムスンは販売台数を公表してないので推測するしかないのですが、恐らく世界で2500万台くらいでしょうか。
日本での販売は不調だったそうなので、その内の1%、25万人を潜在ユーザーとします。
その内の10%がGearVRを買うとすると、実ユーザー数2万5千人。
先ほどの例で言えば、国内限定での売り上げ予想は300万円。
世界市場ならその100倍、3億円です。

PSVRについては、Playstation4を持っている人が潜在ユーザーとすれば、世界で2500万人、日本で170万人です。
その内の10%がPSVRを買うとしましょう。
先ほどの例では、国内売り上げ予想2040万円。
世界市場なら3億円です。

なるほど…OculusConnect2報告会では全てのVRプラットフォームに対してリリースするべきだという主張もありましたが、数字で見るとやはりパイは取れるだけ大きく取っておいた方がよいと実感できます。
Riftの市場規模が想像より小さかったのが衝撃です。
もちろん発売後にRiftの魅力に惹かれてグラフィックボードごと買ってくれる人達が市場規模を拡大してくれる可能性はあります。

コンテンツの制作も、日本向けに限定した物を作っては大損してしまう可能性が示唆されています。
せっかく欧米で盛り上がっているのですから、絶対に世界向けに作った方がいいですね!

ちなみにこの試算はかなり大ざっぱな物です。
この計算で言えばハコスコの潜在ユーザー数はスマホ持っている人が10億人以上いますから、ハコスココンテンツの世界売り上げ予想は120億円になってしまいます(笑

私の試算はここまでにして、アナリストはVR市場規模についてどう考えているのでしょうか?

[データは語る]VRとARのビジネス規模、2020年には1500億ドルに、英投資銀行が予測

↑ビジネス規模1500億ドルというのがつまりどういう事なのかピンと来ませんが、その内の300億ドルがVRで1200億ドルがAR市場との事で、Digi-CapitalはVRよりARが伸びるだろうと予測しています。

ドイツ銀行、2020年までにVRの市場規模が70億ドルになるとの予測を発表

↑こちらの記事はより具体的で、OculusRift製品版は150万台売れるとしています。
私の試算では600万*20%=120万台となるので、大体一致してますね。

まとめ


色々な視点から、VRは普及するのか?というテーマに迫ってみました。
一家に一台という所まで普及するかはともかく、現時点での潜在ユーザーだけでもかなりの市場規模になる事がわかりました。

現時点でルーカススタジオやディズニーがVRへの参入を決めていますから、VRが普及してから考えよう、なんて悠長なことを言っていたらあっという間に大手企業に市場を牛耳られるでしょう。
小規模開発者こそローンチで戦うべきです。
私の試算ではハード所持者の3割が自分のコンテンツを買ってくれると仮定しましたが、現状のスマホ市場でスマホユーザーの3割が自分のアプリを使ってくれるはずなんて言ったら脳みそお花畑だと言われるでしょう。
すでにスマホアプリ市場は飽和しているので、デベロッパーはアプリを1万DLしてもらうにも非常に苦労しています。
ユーザー数10億の内の1万DL、つまり0.001%のシェアを取るのも難しくなっているのです。
普及しきったハードではコンテンツも充実しきってしまうので、普及を待っていては手遅れになります。
VRのローンチ時でアプリを出せば、30%のシェアを取るのも不可能ではないかもしれません。

日本でOculusRiftが流行るか?というのは結局の所未知数でしょう。
試算ではPCゲームユーザーの一部がVRユーザーとなるとしたためかなり規模が小さくなりましたが、案外アダルトVRコンテンツなどが出てくればそれ以外の層でも爆発するかもしれませんね。
とは言えそんな想像に期待するよりも、やはり最初から世界向けに制作して大きなパイを取るのが安全策だと思われます。
DK2を日本最優先で出荷したパルマー氏も日本発のコンテンツに期待しているはずです。

日本にはVR学会があり、Oculus以前からVRの研究が盛んなVR先進国である事がわかりました。
VR学会での研究と同様の物が今のSIGGRAPHで取り上げられてるといった事も起きているようです。
日本に素晴らしいVR研究成果があるのなら、日本のVRコンテンツが世界に先んじる鍵になるかもしれません。
VRコンテンツを制作している人はVR学会の論文などを調べてみると欧米のVRの先を行く物が作れるヒントが得られるかもしれませんね。

Oculus以前から、第一次HMDブームでは各メーカーがこぞってHMDを発売していた事もわかりました。
当時は技術的な問題から普及しませんでしたが、OculusRift以降はまた各社が奮い立ってRiftより素晴らしいVRHMDを発売してくれる可能性もあるかもしれませんね。

DK1以降の日本の個人開発者などでのVRコンテンツ開発の盛り上がりは世界に先んじた物だったと思います。
そこからの資金獲得などが進まずに欧米に後れを取り始めたという話も上がっていますが、例えばシリコンバレーではRiverというVRスタートアップのベンチャーキャピタルのプロジェクトを行っています。

スタートアップ支援を行うRiverプログラム第2弾ではVR系など計14社へ投資

日本人だってシリコンバレーで資金援助を受ける事もできるはずです。
日本発のアイトラッキングHMDのFOVEもRiverでの支援を受けています。
道は開かれていると言えるでしょう。

仮にVRにリソースを突っ込んで失敗したら?VRが一過性の物で終わったら?という恐れもあるかもしれません。
しかし現在ですでにVRのアトラクションが様々なイベントで人気を博しています。
VRコンテンツ開発スキルがあれば、VR案件の受託開発を行ったりそのような事業を行っている会社で仕事もできるはずです。

もし仮にVRが廃れたとしても、VRコンテンツ制作時にUnityやUnrealEngine4を駆使した技術は3Dが主流になりつつあるモバイルゲーム製作会社でも重宝されるものです。

つまり、VRに本当の本気で突撃すれば、その経験は活かせる機会も多いので、トライしてみるべきと言えるでしょう。
タイミングが重要です。
このような面白ビッグウェーブが来る事はそうそうある事ではないのですから、乗ってみて損はないでしょう。

「乗るしかない このビッグウェーブに」

まるで自分に言い聞かせるような話になってしまいましたが、これにて結論とさせていただきます。
ここまで読んでくださってありがとうございました。