最近、Youtubeのレコメンドによく出てくるキヨ氏のゲーム実況動画を割と観てます。
キヨ氏は、どこから見付けてきたんだ?と思うような、聞いた事もないような(私の情報センサがザコ過ぎるだけかもですが)ゲームを実況してくれたりして、おもしろいです。
そんなゲーム実況動画を観てる内にそれらのゲームについてあーだこーだ思ったりしたので、感想とか書いとこうかなと思いました。
自分でゲームを遊ばずに、実況プレイ動画だけ見てそのゲームについて語るなんて、それは人としてどうなの?という感じですが、個人的なメモという事でご容赦ください。
ブログに書いてる時点で個人的なメモじゃねーだろという話はありますが、もしもゲーム作者様や関係者からの苦情があれば受け付けますのでお気軽にお問い合わせください。
Project Makeover
動画情報:シリーズ14本 395万再生 7.7万いいね
ゲーム情報:2020年 iOS、Android 基本無料 GooglePlayインストール数5千万+
Project Makeoverは海外のスマホゲームです。
プレイヤーは「劇的ビフォーアフター」的な番組のプロデューサーになって、依頼人の部屋の模様替えと、さらに依頼人のファッションもいい感じに着せ替えてあげて、依頼人をハッピーにしてあげます。
まあストーリーとしてはそうなんですが、部屋の家具とか服を買うのにイチイチ”コイン”を消費する必要があります。
で、どうやってそのコインを手に入れるのか?というと、”3マッチパズル”をクリアするとコインがもらえます。
つまり、このゲームは結局インゲームは3マッチパズルで、そのガワとして模様替え、着せ替えのストーリーが被せられてる構造になってます。
3マッチパズルと言えば、昔からキャンディクラッシュサーガとかが流行ってましたが、キャンディクラッシュサーガにはガワのストーリーなんてほぼありませんでした。
では、どうしてProject Makeover(プロメク)にはわざわざガワストーリーが用意されてるのか?
それは、プロメクがキャンディクラッシュより後発のゲームだからです。
3マッチパズルしたいだけのユーザはずっとキャンディクラッシュしてれば幸せですから、後発のゲームに乗り換える動機がありません。
そこで、プロメクは「ウチは3マッチパズルに加えて面白いストーリーもたのしめますよ!」とアピールする事でユーザーを呼び込めます。
ちなみに、プロメクの課金はスタミナ回復、パズル内アイテム、パズルコンティニューで、キャンディクラッシュからまったく進歩がありません。
プロメクはハイパーカジュアルゲームみたいな感じで相当な量の広告攻勢をかけているようで、しかもその広告内容がゲームと全然違ってて、広告詐欺だ!という話で話題になってるそうで、キヨ氏の動画もそういう切り口になってます。
広告詐欺なんだけど、何故か実際プレイしてみると相当しっかりしたストーリーがあって驚かされます。
こういうアプリゲームの広告詐欺問題はなかなか興味深いので、別途ブログ記事を書きたいところです。
それにしても、ファイナルファンタジーみたいな大作ゲームでは、ゲームのリアリティが上がるにしたがって、バトルシステムをフィクション世界と一致させるために相当な苦労を払ってそうですが、その一方で、プロメクはフィクション世界とインゲーム(3マッチパズル)には一切関係が無く、完全に乖離しています。
それでもプロメクのAndroidインストール数は5千万越えで大人気ですから、なんだかんだでほとんどのプレイヤーはフィクション世界とゲームメカニクスが一致してようがしてまいが全然気にしてない説が浮上してまいりましたね。
日本をよく知らないナンシーが作った和風ホラーゲーム
動画情報:324万再生 5万いいね
ゲーム情報:2019年 べるずさん作 RPGツクールMV製 無料
https://www.freem.ne.jp/win/game/20494
RPGツクール製ゲームって、かなり昔からマトモにRPGが作られるというよりは、脱出ゲームとかホラーゲームが作られてる印象がありますね。
さらに、ホラーのツクールゲーも恐ろしいくらいに量産されて、それだけでは目立てなくなってきたので、このゲームのようにネタ要素で一点突破する系のゲームも増えてきています。
「日本をよく知らないナンシーが作った和風ホラーゲーム」ってどういう事?というと、文脈から説明する必要があると思いますが、そもそもとして、安い海外ゲームの日本語字幕が機械翻訳だったりして、翻訳がガバガバなのをキヨ氏とかがネタにして面白がってた風潮と言うのがありました。
そこで、むしろわざとガバガバ日本語翻訳風のテキストでホラーゲーム作ったらおもろいんじゃね?というのがこのゲームのアイデアです。
こんな風に、最近のツクールゲーはゲームという媒体を丸ごと使ってコントを表現する的な高度な文化が出てきています。
このゲームもそうですが、コントと言っても基本的にゲーム内のキャラは全員ボケ倒していて、プレイヤーキャラがツッコミに回るケースは少ないです。
何でか?というと、ゲーム制作者がゲーム実況される事を期待してるのかもしれません。つまり、ボケ倒しの世界を用意する事で、プレイヤー(実況者)が好きなだけツッコミを入れまくれる余地を作ってくれてるのかもしれません。
実際、キヨ氏はキレッキレでゲームにツッコミを飛ばしてくれます。
べるずさんのツクールゲーは、登場人物のドット絵がとてもかわいいです。
ひたすら既製の素材が使い回される事が多いツクールゲーにおいて、立ち絵とマップチップ、マップキャラが描き下ろされているべるずさんのゲームはそれだけで他のツクールゲーと差別化されていてかなり魅力的です。
ふりーむで無料公開もいいですが、Steamとかで販売しても人気出そう。
Girls and Quiz
動画情報:248万再生 4.3万いいね
ゲーム情報:2017年 morojenoe’s empire作 Steam 198円 レビュー数13 推定売上数390
キヨ氏は海外のやっすいゲームを実況しがちですが、上で書いた通り、そういうゲームは大抵日本語翻訳ガバガバなので、そういう点にキヨ氏がツッコミを入れまくって面白さを稼ぐのがキヨ氏の常套手段で、実際おもしろいです。
先ほどのべるずさんのゲームは高度なセンスでコントを構成して巧妙にプレイヤーを”笑わせてる”のに対して、日本語ガバガバ海外ゲームは笑わせようと思ってなくて、真面目に作ってるのに結果的に面白くなって”笑われて”しまうという、秀才に対する天然みたいな関係があります。
クレバーな秀才コントも面白いですが、狙ってない本人は真面目なつもりの天然ボケの方がどうしても爆発力が高くなっちゃう気がしなくもないです。
注目して欲しいのは、実況動画が248万再生もされてるのに、Steam推定売上数は390本しかないという点です。
ちなみに、推定売上数はどうやって算出してるのかというと、現在はSteamの売り上げ本数は大体レビュー数の30倍くらいという法則があるらしいので、それで算出してます。
ここから分かるのは、ゲーム実況動画の人気とそのゲームの人気は関係が無いらしいという事です。
しかし、ゲーム実況が売り上げに完全に無意味というわけではないでしょう。
少なくとも、この動画を観た248万人はこのGirls and Quizというゲームが存在する事を知ったはずで、そう意味では絶大な広告効果があるでしょう。
問題は、実況動画を観て、「このゲーム面白そうだから自分も遊んでみよう」と思えるゲームとそうでないゲームがあるという事でしょう。そして、Girls and Quizは遊んでみたいと思えるゲームでは無かったという事でしょう。
Girls and Quizは大量の2択クイズをするゲームですが、クイズがクイズになってません。
たとえば「バスケットボールとバレーボールのどちらが好き?」という出題で、バスケを選ぶと不正解になってしまうという感じで、意味不明です。
まあ要するに、女の子の好みを当てるクイズらしいですが、それにしてもノーヒントですからやはりクイズになってません。
キヨ氏はどうしようもないゲームほどツッコミやすくて実況しがいがあるみたいなところがあるので、むしろゲームがダメなほど動画が伸びるという説もあるかもしれません。
Christmas Tale
動画情報:190万再生 3.4万いいね
ゲーム情報:2017年 morojenoe’s empire作 Steam 205円 レビュー数7 推定売上数210本
Girls and Quizと同じ作者のゲームです。
ゲーム自体はすいませんが全然面白くなさそうなのに対して、キヨ氏マジックで実況動画は相当面白いです。
このゲームの作者、あんまりゲームが売れて無さそうなのにガンガン次回作をリリースしていて、根性があると思いました。
ちなみに、仮に210本売り上げてるとしたら、4万3千円の売り上げです。
キヨ氏は仮に動画再生1回あたりで0.1円の収入があるとしてもこの動画で少なくとも19万円稼いでいます。
Girls and Tests
動画情報:114万再生 2.3万いいね
ゲーム情報:2018年 morojenoe’s empire作 Steam 205円 レビュー数0 推定売上数1本
やっぱりGirls and Quizと同じ作者のゲームです。
レビュー数がゼロなので推定売上数が算出不能です。少なくともキヨ氏が買ったのは間違いないのでとりあえず1本としました。
ゲーム内容はGirls and Quizとほぼ同じです。
このゲーム作者はハイペースでゲームを量産してましたが、このゲームを2018年にリリースしたのを最後にリリースが途絶えてしまっています。
Disillusions Manga Horror
動画情報:163万再生 3.3万いいね
ゲーム情報:2013年 StephenAllen作 Steam 98円 レビュー数333 推定売上数1万本
値段の割にしっかりした3Dホラーゲームです。
手描きのキャラ立ち絵も結構いい感じだと思いました。
SUIちゃんがかわいい。
割と唐突に厨二病的な展開が降って来て付いていくのが大変です。
何故か最終ステージだけマルチプレイ専用になってたりするところもこっているといえばこっています。
悪夢ゲーム Nightmare Game
動画情報:111万再生 2.1万いいね
ゲーム情報:2019年 两拳漫画作 Steam 100円 レビュー数12 推定売上数360本
8人で人狼的なデスゲームを行うゲーム…に見えますが、実際はその人狼ゲーム部分には干渉できなくて、ビジュアルノベルのように淡々とシナリオの進行を眺めるゲームみたいです。
各キャラごとにシナリオが用意されていて、ボリュームがありそうですが、レビューを見ると単なる水増しみたいな事も書かれています。
さて、もし自分がこのゲームを作るとしたら、どんな風に作るといいだろう?
まあ、デスゲームを扱ってるゲームは先行してダンガンロンパとかグノーシアとかありますから、そういう作品を参考にするでしょう。
たとえば、ダンガンロンパは登場人物のキャラにそれぞれ特技が設定されていて、それがキャラの個性を生んでますし、殺人のトリックにも使われたりしてます。
ダンガンロンパは逆転裁判を踏まえていて、これらのゲームは犯人に証拠を突きつけて論破するたのしさがゲームの核になってます。
なんにせよ、ゲームプレイヤーはストアの説明とかを見て、ゲームに対して何らかの期待を持ちますから、ゲームは基本的にはプレイヤーの期待を叶えてあげる方がいいという事は言えそうです。
”デスゲームに参加する”ゲームだったら、当然プレイヤーは自分の実力でデスゲームを生き残る!みたいな内容を期待するでしょう。
実況動画を観る限り、自分がデスゲームを生き残る!という点はあってますが、なんだか分からん内に他のプレイヤーが死んでって何か知らんけど生き残っちゃう。みたいな感じなので、なんか謎解きとかさせてプレイヤーに自力で生き残った感を感じさせてあげるといいかもしれません。
多分そんなに怖くないホラーゲーム
動画情報:178万再生 4.1万いいね
ゲーム情報:2020年 たくあんたろうさん作 無料
https://www.freem.ne.jp/win/game/22378
ノベルゲーム形式のホラーゲームです。
たかしというふざけた感じのキャラが出てきて奇行を繰り返して引っ掻き回します。
たかしが奇行するだけのおふざけゲームと思わせておいて、オチはピリッとした叙述トリック風で、驚きを与えてくれます。
油断させておいて最後に一発食らわせたる!という作者の魂胆を感じます。
そんなしっかりしたシナリオを持っているのに、どうして作者はたかしとかいうふざけたキャラを投入してホラーゲームをクチャクチャにしたのか?というと、しっかりしてるだけのこういうホラーゲームならすでに星の数ほどあるのが現状ですから、何とかして差別化を図ろうとした結果だと思われます。
しかし、ホラーゲームにふざけたキャラを入れるだけなら、ひぐらしとかでも富竹とか入江とかは日常パートでは相当ふざけてます。
しかも富竹なんかは絶対死ぬ事が分かりきってますから、日常パートのおふざけに段々悲壮感さえ漂い出すという意味ではかなり上を行ってるかもしれません。
とは言え、ホラーゲームに似つかわしくないようなキャラを投入してみるというアイデア自体は面白いと思います。
例えば、カルトという映画では、最初はしっかりホラーなドキュメンタリー風に始まったのに、中盤からネオというこいつだけ特撮ヒーロー番組からやって来たみたいなイケメンチート霊能力者がいきなり登場してバケモノども相手に無双し始めるという衝撃的展開が始まり、タイトル通りカルト的な人気の映画になりました。
サクラスクールシミュレーター
動画情報:163万再生 4.3万いいね
ゲーム情報:2019年 iOS、Android 無料(広告表示アリ) GooglePlayインストール数5千万+
高校生活をシミュレーションできるゲームのようです。
かなり自由度が高いゲームみたいです。
ゲームはスマホ向けで、完全に無料で遊べますが、ゲーム起動時および、キャラの衣装などの要素アンロックのために広告動画を観る(25秒くらい)必要があります。
この動画広告でどれくらい稼げるのか?はハッキリとは分かりませんが、ググった感じだと、1回あたり少なくとも5円くらいの儲けにはなるようです。
しかし、ゲーム開始する時に、「広告を見ないでゲームを開始」という選択肢が用意されてる事におどろきました。この開始時の広告が唯一の恒常的にマネタイズする手段であるはずなのに。
おそらく、最初は強制で広告見せてたけど、毎回広告観るのがイヤになったプレイヤーがゲームから離れていく数が多くなり過ぎたのがアナリティクスの統計から分かったから…みたいな事情がありそうです。
それにしても、Androidのインストール数が5千万超えは衝撃です。という事は、iOSも合わせると1億は超えてるでしょうし、それで仮に1プレイヤーあたり平均10円の利益が得られていたとしたら、それだけで10億円の売り上げ!!
スマホゲームってソシャゲ以外だと、ハイパーカジュアルゲームなどと言われるかなりカジュアルなゲームがウケる!と思われていますが、このゲームのような結構ガッツリした3Dゲームにこのような爆発的な潜在的市場が潜んでいたとは。
というよりは、単にこのゲームがあまりにも神ゲーだから大人気なのかもしれません。
キヨ氏は動画映えのためにネタプレイに徹していますが、普通にプレイするとどんな感じなんだろう?
このゲームは実況観ただけで済ませずに自分でプレイしてみたいかも。
私は自由に遊べと言われても困るタチなので、こういう自由度が高い何でもできちゃう系のゲームって、あんまり馴染みが無いですが、こういうゲームにも過去の系譜があるんでしょうか?
GTAとかを参考にしてるんですかね?
周りのNPCの頭を巨大化させるアイテムとか、どういう発想でどこから出てきたのか気になります。
そういえば、昔「ヤンデレシミュレータ」ってゲームがありましたね。
ヤンデレシミュレータは「憧れの先輩に近づく邪魔な女子を暗殺する」ゲームなので、自由な高校生活のゲームとは違うみたいですが。
というか、ヤンデレシミュレータって2014年に開発開始されて、まだ開発中でリリースされてないらしいですね!
ヤンデレの暗殺ACT『Yandere Simulator』開発者、もがく。類似ゲームの人気に焦り、その言動が激しい批判に晒される
ヤンデレシミュレータが一向に発売しないのに業を煮やして、パチモンみたいなゲームが出まくってて、そのせいでむしろ開発者の方が病んでヤンデレ状態になってるらしいです。
Steamにもヤンデレスクールとかいうパチモンゲームが520円で出てますが、そちらはレビュー数は270なので推定売上数は8100本です。
さらにこちらの記事によると、スマホゲームとしてヤンデレシミュレータのパクリ…というかもう完全に単なるコピーゲームが量産されてるようです。
『Yandere Simulator』、発売前でありながら“インスパイア”が生まれ続ける。野心的なアイディアとユーザーとの協力体制が仇に
どうしてコピーゲーム量産なんて事が可能なのか?というと、ヤンデレシミュレータ開発者は、自分の支援者向けにオープンソースにしていたようで、だから簡単にコピーできたようです。
サクラスクールシミュレータはヤンデレシミュレータとは全然中身は別物ですから完全オリジナルではありますが、流れとしてはこのような量産されたスクールシミュレータを踏まえた系譜なのかもしれえません。
Lovesickというヤンデレシミュレータのインスパイアゲームでは、主人公のキャラモデルがヤンデレシミュレータと完全に一致しています。
というのは、このモデルは「桐生あおい」という名前でUnityアセットストアで販売されているモデルですから、まあ誰でも自作ゲームに利用できます。
それで、よく見るとキヨ氏の動画サムネに映ってるピンク色の髪の子もこの桐生あおいの改変モデルに見えますね。
それはいいんですが、桐生あおいのモデルには髪形のバリエーションが含まれていないのに、サクラスクールシミュレータなどでは色んな髪形のキャラが登場します。
どうやってキャラのバリエーションを作ったんだろう?と思って開発者のぺすかとーれさんのtwitterを掘ってみた所、どうやらぺすかとーれさんは元々3Dモデルの制作が得意な方のようでした。
ですから髪形のバリエーションは自作なのかもしれません。
言われてみると、ゲームに登場するしっかりした街のモデルも、アセットストアで見た事が無いので、どこから持ってきたんだろう?と不思議でしたが、あれも全部自作なのかもしれません。
こうやって自作モデルを用意しているゲームは、適当にかき集めたアセットで作られたゲームよりビジュアルの統一感が高まるので、結局そういう所でゲームクオリティは左右されるのかなと思いました。
ちなみにヤンデレシミュレータにも大量の髪形のバリエーションが用意されています。↓
https://yandere-simulator.fandom.com/wiki/Customization
どうやってこんなに沢山の髪形を用意したのか?というと、どうやらDruelbozoさんという3Dデザイナーの方の強力な働きがあったようです。↓
https://www.deviantart.com/druelbozo/art/HairSet1-574891803
アセットストアで桐生あおいみたいなモデルを買うのは簡単ですが、このモデルを使って統一感のあるゲームを作ろうと思ったら、大量の髪形バリエーションを用意してNPCを量産しないといけないので、意外とアセット買ってハイ終わり!ではなくその先をどうするかがなかなか難しいです。
本当に奇麗で輝いている1日
動画情報:100万再生 1.6万いいね
ゲーム情報:2018年 ティラノビルダーPRO製 鈴木S茶さん作 無料(公開停止済み)
https://freegame-mugen.jp/adventure/game_7581.html
どういう文脈のゲームなのか、内輪ネタなのか何なのかよく分からなかったのでググったら、こういう文脈だったそうです。
永田さんという方の友人がネタで「フリー素材化しますw」とかツイートしたらそれを真に受けてゲームに使っちゃった人がいて、そのゲームをキヨ氏が実況したみたいです。
なんか結局トラブルになったのかゲームは現在公開停止になってます。
ひたすらシュールな実写の写真素材のキャラが登場してひたすらシュールな出来事が起きていきます。
もし自分がプレイしてたらちょっと付いていけなそうですが、ツッコミが上手なキヨ氏が実況すると動画として映えるからすごいですね。
それにしても、マンガ学ではキャラがリアルなほどキャラに目が行き過ぎて話が頭に入ってこなくなると書かれてましたが、実際インパクト強い実写写真のキャラだとたしかに全然話が頭に入ってこない事がこうして見るとよく分かりますね。
Death Trips
動画情報:470万再生 8万いいね
ゲーム情報:2018年 Forameussさん作 無料 10万ダウンロード+
https://forameuss.itch.io/death-trips
ホラーゲームに見せかけて、プレイヤーに襲い掛かろうとした幽霊?が途中でスッ転んで終わるというネタゲーです。
こちらの開発記事によると、ちょっとした冗談で2日間ででっちあげたゲームだったけど、なんか人気になってしまったそうです。↓
https://forameuss.itch.io/death-trips/devlog/188567/2-years-of-death-trips
そういえば、ホラーはやり過ぎるとギャグになったりすると言われますね。
恐怖と笑いは紙一重らしいです。
ホラーが来るぞ…と身構えていてからの、いきなりギャグをやられると、そのギャップで2倍笑えるのかもしれません。
とは言え、これは出オチですから、逆に言えばこうしてItch.ioで無料ゲームでネタとして出す以上の事はできなそうです。
これがSteamの有料ゲームだったら一瞬で終わる出オチゲーは歓迎されないかもしれません。
無論、このようなゲームは二番煎じの次回作を作っても、もうユーザーは「ホラーと見せかけてギャグなんだろ?」という身構え方をしていまいますから同じ事をやってもウケないという難しさがあります。まあ冗談は冗談に過ぎないという話になりそうです。
里帰り
動画情報:242万再生 4.7万いいね
ゲーム情報:2021年 とらんぽさん作 Steam 310円 レビュー数13 推定売上数390本
すいません、動画を観ただけですが、凄い雰囲気がいいゲームだと思いました。
とくに、家の作り込みが素晴らしいです。
いかにも田舎の実家感があり、キヨ氏も「これウチの実家じゃね?」みたいな感じで相当実家感を感じてました。
ご飯をよそって仏壇に供えるイベントとかも、実際ウチの実家でもやってたので、相当な実家です。
家の外の夕暮れの雰囲気も素晴らしいです。
これらの家のモデルや屋外風景の感じは、アセットストアとかで見た事がないので、とらんぽさんの自作モデルだろうと思われます。
ゲームシステムも、まあチラズアート的なホラーウォーキングシミュレータとして、短いですがちゃんとできてると思います。
しかし、レビュー数が13しか無いところを見ると、あまり売れて無さそうです。
キヨ氏の動画は242万再生もしているというのに。
こういうホラーウォーキングシミュレータはゲームとしては作りやすそうですが、実況動画を観た後に「自分もプレイしてみたい!」ってあまり思えないがち…かもしれません。
そもそも怖いのがイヤだし…実況主がビビッてる反応を眺めてる分にはおもしろいけど…。
実況動画でストーリー全部観れちゃうし…。
チラズアートさんのゲームは人気ですが、それは高水準のゲームをハイペースで量産する事でブランドを確立できてるからで、後発の開発者は何かもっとヒネリを入れないといけないのかもしれません。
As usual.
動画情報:192万再生 3.9万いいね
ゲーム情報:2021年 せがわさん作 ゲームアツマール 無料 プレイ数5130
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm19925
モーニングルーチン的に顔を洗ったり歯を磨いたりして、また寝る…みたいなルーチンの毎日を繰り返していくうちに、目を背けていた真実の日常が段々と見えてくるみたいなゲームです。
結構猟奇的かつ衝撃的な結末が出てきます。
私はゲームを作る時に、2Dで作るべきか?3Dで作るべきか?とか悩んだりしますが、このゲームはドット絵のおかげでモザイクみたいな感じでどんだけグロ表現をやっても直接的なグロさが和らぎます。
それでいて、ドット絵だと何故か衝撃的展開のショッキング性が倍増するような気がします。
これはやはりドット絵はプレイヤーの想像力を膨らませる効果がありますから、そのおかげでしょう。
安全で平和なはずの自分の家が侵食されていく展開は絶望感が凄いです。
それに加えて、こういう2Dドット絵の自分の家というのは例えばマザー2の家のように、普通は絶対に敵が出現したりしないし、無料で宿泊、回復できる、システム的に考えて絶対安心な場所(まあこのゲームにはヒットポイントとか敵とかみたいなシステム概念がそもそもありませんが)なイメージがありますから、なおさらショックがあります。
たとえばサイレントヒル4でも、いつも悪夢の世界から帰ってきてホッと一息付けていた自分の部屋が終盤で侵食されてきてセーブする事もおぼつかなくなってくるという展開があって、安全なはずの場所が脅かされる恐怖が存分に味わえます。
キヨと一緒に楽しいホラゲー実況がしたい
動画情報:259万再生 5.2万いいね
ゲーム情報:2021年 べるずさん作 キヨ氏のためだけのゲーム
キヨ氏に実況してもらうためだけにべるずさんが作ったゲームです。
このゲームにキヨ氏と作者自身が登場して、作者は自分のセリフだけをフルボイスで入れておくことで、キヨ氏は自分の台詞を読み上げますから、その実況動画を観ている我々からすると、まるでキヨ氏とべるずさんが二人で一緒に実況しているかのごとく見えるという、天才的なアイデアのゲームです。
たまにリアルのキヨ氏がゲームのキヨ氏と完全に同じ反応をする時があって、なんか感動してしまいます。
こんなゲームを作るくらいですから、べるずさんは普段からかなり実況プレイしてもらう事を意識してゲームを作っていそうですね。
口裂け女 Slit Mouthed
動画情報:153万再生 3.7万いいね
ゲーム情報:2021年 Nyxtales作 Steam 520円 レビュー数38 推定売上数1140本
海外の開発者が、日本を舞台にして日本の口裂け女を題材に作ったホラーウォーキングシミュレータです。
普通のホラーウォーキングシミュレータよりワンランク上のゲームだなあと思うのは、かなりグラが綺麗ですし、海外のゲームにもかかわらず、あんまりガバッてない翻訳で、さらにフルボイスが用意されてます!
普通によくできたインディーゲームだと思う割に、思ったより売れて無さそうです。
このゲームの実況動画を検索してみると、「日本語翻訳がガバッてるせいで爆笑ゲームになっちゃってるホラーゲーム」みたいな切り口の動画が多いですね。
もはやこの手のインディーっぽいホラーウォーキングシミュレータは売れない時代なのかもしれません。
ちょっと切り口を変えてみた方がいいのかもしれませんね。
例えば、台湾のRedCandleGamesが作った「返校」もホラーアドベンチャーですが、レビュー数が8723で、推定売上数は26万本もあります。
Baal
動画情報:162万再生 4万いいね
ゲーム情報:2021年 MohoStudio作 無料
https://moho-studio.itch.io/baal
ホラーゲームと言うか、ひたすらシュールなゲームです。
キヨ氏が途中で攻略に詰まって攻略wikiを見に行く所がありますが、「冷蔵庫の中の人形を扇風機に当てる」というまったく何の脈絡を感じないプレイをしないと先に進めません。しかもノーヒントです。
ゲームの謎解きと言うのは、ハッキリとヒントを提示しておくか、自然と推理できる謎にしておかないと、普通は解けません。
「普通、誰だって人形を見たら扇風機に当てて首を切断したいと思うに決まってんじゃん」とでも言うのでしょうか?
謎解きの結果としてシュールな出来事が起きる分には全然構いませんが、謎解き自体がまったく脈絡がなくてシュールな行動が求められるというのは、ほぼ間違いなく理不尽さを感じさせるのでリスクが高いです。
まあ、これがおまけの隠し要素とかで人形が扇風機に使えるよ!という事なら全く問題無いし、むしろ発見の楽しさがあるかもしれません。
しかし、これに気付かないと進行できない必須イベントだよ!というのは良くないでしょう。
Messアドベンチャー
動画情報:142万再生 3.2万いいね
ゲーム情報:2020年 MarvelousGames作 Steam 399円 レビュー数341 推定売上数10,230本
まあいわゆる「しょぼんのアクション」みたいな感じで、意地悪なマリオみたいなゲームです。
とは言え、その意地悪のバリエーションが凝り過ぎてて、もはや怒りを通り越して感心しっぱなしになってしまいます。
例えば2D世界と3D世界が切り替わったり、画面の手前から攻撃されたり、背景の標識をマウスで動かしたり、ゲームボリュームをいじったりして攻略する必要があります。
なんかもはやアクション性というより謎解きがメインです。
こういう、ゲームの概念を覆すようなギミックは、例えばUndertaleでもイベントでゲームアプリ自体を強制終了させてきたりして、プレイヤーとしてはかなり驚かされます。
こういうノリを発展させた、「There Is No Game」みたいなゲームもあったりします。↓
https://store.steampowered.com/app/1240210/There_Is_No_Game_Wrong_Dimension/?l=japanese
さて、このMessアドベンチャー、こんだけ面白いのだからさぞや売れてるのだろうと思いましたが、Steamでは推定売上数は1万本と、思ったほどは売れてませんでした。
こんな凝ってるゲームでもヒットしないなんて、Steamって修羅の国なのかな…。
Help Me 助けてください
動画情報:142万再生 3.2万いいね
ゲーム情報:2021年 Wallace Lovecraft作 Steam 188円 レビュー数22 推定売上数660本
これまたひたすらにシュールな、選択肢を選んでいくビジュアルノベル形式の短編ゲームです。
選択肢を間違えるとすぐ死にます。
なかなか味わい深い絵柄ですが、売り上げ的には弱いようです。
フードデリバリーサービス
動画情報:403万再生 5.3万いいね
ゲーム情報:2021年 KIMIDORI SOFT作 Steam 310円 レビュー数26 推定売上数780本
いわゆるホラーウォーキングシミュレータですが、ウーバーイーツのお仕事要素があって、それっぽいスマホのマップまで用意されていてかなり凝ってます。
自転車にも乗れるし、なかなか良くできたゲームだなあと普通に関心してましたが、売り上げは微妙そうです。
レビューを見るとウーバーイーツの配達部分が単調で長ったらしくて詰まらないとの事です。
こういうゲームって、何だか知りませんがお仕事要素がよくありますよね。コンビニバイトとか、配達とか警備員とか。
どうしてだろう?と考えると、こういう要素を入れるととりあえずゲームっぽくなるし、プレイヤーがキャラクターに没入する一種のイニシエーションとしての役割もありそうです。
しかし、このゲームでは延々とウーバーイーツさせられるので、導入だけならともかくずっと同じ事の繰り返しは流石に飽きるという事でしょうか。
ウォーキングシミュレータに仕事要素入れるのは安牌とは言え、プレイヤーはホラー目当てなので仕事させ過ぎるのは良くないと言った所でしょうか。
しかし、じゃあその辺のバランスを改善していたらもっとガッポリ売れていたのか?というと、別にそういう事でもない…ような気がします。
Fall Guys
動画情報:シリーズ14本 209万再生 3.8万いいね
ゲーム情報:2020年 Steam、PS4 2050円 レビュー数372,573 推定売上数11,177,190(1100万本) PS4での売り上げは1560万本
まあ、Fall Guysはキヨ氏じゃなくてもみんな実況してるんですが、私はFall Guys実況なんて誰がやっても同じだろ!とか思ってましたがキヨ氏の実況はやたら釘付けになって一気に観てしまいました。
キヨ氏は奇抜なゲームを実況しても面白いですが、普通に面白いゲームを実況すると普通にもっと面白いという事がよく分かりました。
かなりゲームが上手いので、毎回大体最終ラウンドまで残って1位が取れそうで取れない絶妙な惜しさが癖になります。
それにしても、今までに列挙した他のSteamゲームに比べると、余りに圧倒的な売り上げで気が遠くなりそうです。2600万本!!
おわり
という訳で、最近見たキヨ氏のゲーム実況はこんな感じでした。
またしばらくして色々観たら続きを書くかもしれません。
自分で書いてみてためになったなあと思ったのは、ゲーム実況動画の人気っぷりと、ゲームそのものの人気にはほとんど何も関係ない事がよく分かりました。
なんか実況動画の再生数が伸びてるのを観ると、「へえ、このゲームって人気なのか!」と錯覚してしまってましたが、それはゲームが人気なんじゃなくてキヨ氏が人気なだけだった…みたいな。
それが一番顕著なのはGirls and Testsでしょう。
実況動画は114万再生なんだから、動画を観た100人に1人がそのゲームに興味を持ってゲームを買えば、1万本の売り上げになるはずなのに、レビュー0件という事は、まっっったく売り上げに寄与してないようです。
とは言え、必ずしもユーチューバーにプレイ実況されても何の役にも立たない…とも限りません。
動画視聴者は少なくとも存在さえ知らなかったゲームの存在を知る事が出来るので、そういう意味での宣伝効果は大きいでしょう。
ただし、実況動画を観た人が「自分も遊んでみたい!」と感じるゲームもあれば、全くそう思わないゲームもあるという事です。
例えば、キヨ氏以外の話で、有名Youtuberにゲームを実況プレイされたゲーム開発者が、その後売り上げがどんだけ増えたか確認したら、2本しか増えてなかったという話がありました。
現在元記事が削除されてるので、ソースはまとめサイトしかありませんが↓
https://otakunews-sokuhou.website/archives/8636901.html
言いにくいですが、要するにホラーゲームは実況プレイ観ただけで満足しがち…です。
先ほども書きましたが、だって、1人で家でホラーゲーム遊ぶのは怖いし、さびしいもん!!
というか、自分で遊ぶのが怖いので実況プレイ動画を観るまであります。それがホラーゲームは売れないけど実況動画は人気になる理由かもしれません。
プレイ実況なら実況主が喋ってくれるので、怖くないし寂しくないです。
しかし、見方を変えると実況プレイ動画はホラーゲームのホラー部分の怖さを台無しにしてるとも言えるかもしれません。
しかしですね、例えばホラー映画だって、家で一人で見るのは少数派で、大抵の人は友達同士で集まってギャーギャー言いながら観てるんじゃないか?という説があります。
その場合も、ホラーの怖さは台無しになりますが、そもそもこういう人達は真剣に恐怖を味わいたいというより、みんなで一体感を持ってスリルを味わいたいとか、そういうニーズだと思うので、それでいいわけです。
例えば一人で遊園地行って絶叫マシーン乗るか?とか、1人でお化け屋敷入るか?という話でもあります。
まあ、もちろんそういう楽しみ方をする人もいるので、「一人でホラー映画観たり絶叫マシーン乗ったりお化け屋敷行ったりしてますがなにか?」と言われても、それに文句を付けてるわけでは無いですが、大多数の人はみんなでギャーギャーたのしむためにホラー映画観たりお化け屋敷行ったりしがちという話です。
こうして羅列してみて分かるのが、そもそも最近はホラーウォーキングシミュレータは売れてなさそうだなあという事です。
ホラーゲームが問題なのは、基本的に一人で家で遊ぶものなので、つまりホラー映画を一人で家で見たり一人でお化け屋敷に行ったりするような奇特なタイプの人が遊ぶであろう、少数派向けのゲームになってしまってる点かもしれません。
金払ってまで怖い思いするハメになるなんて、むしろこっちがお金払ってほしいくらいだよ…みたいな。
さて、「じゃあホラーゲーム製作者はこれから先どうすりゃええの?」という話ですが、ここまで書けば私が言いたい事もすでにお分かりかもしれませんが、これからの時代はホラーゲームもマルチプレイ化していくべきかもしれません!
例えばPhasmophobiaというマルチプレイ可能なホラーゲームがあります。
このゲーム、Steamのレビュー数が325797で、つまり推定売上数は977万本という、FallGuysにも匹敵するほどの、ホラーゲームにあるまじき衝撃的な売り上げを叩き出しています!
まあこのゲームは厳密にはホラーゲームというよりみんなでアイテム使って証拠を集めて幽霊の正体を暴いてく推理ゲームの要素が強いんですが。
ホラーゲームがマルチプレイになったらホラー演出の怖さが台無しになってホラーゲームとして成立しないだろ!と思う方もいるかもしれませんが、上で書いたように、ホラー映画だってみんなでギャーギャー言いながら観たいだけで真剣な恐怖なんて別に求めていない人がかなり多いので、ホラーが崩壊しても特に問題ないでしょう。
他の例で言うと、例えばVRChatのホラーワールドなんかでも、みんなでマルチプレイ(VRChatは当然すべてのワールドがマルチプレイ対応)でワイワイギャーギャー言ってるでしょう。
ホラーゲームがマルチプレイになるのは、ゲームのお化け屋敷化とも言えるかもしれません。
是非ともボイチャがあった方が盛り上がっていいでしょう。
Phasmophobiaの実況動画を観ていただくと、動画観てストーリー分かってふ~んでおしまいでは無く、自分も友達とわいわい言いながら幽霊調査員やってみてえ!と思いますよね。
普通のホラーゲームではむしろ自分で遊びたくないから実況動画で済まそう…ってなってたのが、Phasmophobiaでは実況動画観てむしろ自分でも遊びたくなるわけで、この差は決定的かつ致命的に大きいと言えるでしょう。
まあホラーゲームに限らず、いかにして実況動画による宣伝効果に乗っかれるゲームにするか?というのがゲームの売り上げの命運を分ける時代だと思います。
実況されるほど売れなくなるゲームと実況されるほど爆売れするゲームのどっちを作りますか?という。
そして、そのカギを握るポイントの一つがマルチプレイ化と言えるでしょう。
ちなみに本当に単なるホラーなウォーキングシミュレータをマルチ対応してみんなでギャーギャー言えるようにしただけだと、それだけならVRChatでも普通にタダでできちゃう体験ですから、何かVRChatではできないようなゲームっぽい要素があると良いのかなと思います。