巷ではVampire Survivors(ヴァンパイアサバイバーズ:以下VSと略す)というゲームが流行ってるようです。
これはGalante氏が2021年12月17日にSteam上でリリースしたゲームです。
https://store.steampowered.com/app/1794680/Vampire_Survivors/
現在はアーリーアクセスで300円で購入できます。
また、Itch.ioでブラウザ上で無料でプレイできます。(ただし古いバージョン)
https://poncle.itch.io/vampire-survivors
ブラウザ版は無料ですがアップデートされないらしいので、体験版みたいなものです。
ブラウザ版を試して気に入ったらSteam版を買うとかがいいんじゃないでしょうか。ただしブラウザ版には現在日本語訳がありません。
また、Steam版も今後アプデと共に値上げされるらしいので、今のうちに買う方がオトクかもしれません。
このゲーム、Steam版は去年の12月に出たものの、それ以前からItch.ioで去年の3月31日にはアップロードされていたようです。
しばらくのあいだは地味な見た目も相まって、マイナーな存在でしたが、Steamでのリリース直後の年明け2022年1月7日に、チャンネル登録数70万人のSplatterCatGamingが実況プレイ動画を上げた事で話題沸騰、人気爆発して、今ではレビュー数5万5千、推定売上数165万本、推定売上5億円の大ヒットになってます。
ゲーム内容の概要については4Gamerの記事を読むと分かります。↓
300円で遊べるお手軽ローグライト「Vampire Survivors」のススメ。最後にもう1プレイだけ……では絶対に終わらないリプレイ性の高さが魅力
記事のタイトルでも強調されてるように、VSは中毒性が高いゲームで、ついついもう1回遊んでしまって時間が溶けてしまうヤバいゲームです。
twitterでこのゲームについて言及してる人達は前からチラホラいたものの、何かパッと見た感じおもしろくなさそうなゲームだったのでスルーしてました。
しかし、数日前にyoutubeが戌神ころね氏による実況動画をレコメンドしてきたので、とりあえず観てみました。
ころね氏も私も最初はこのゲームがなんなのか全然分かりませんでしたが、観ていると画面に釘付けになって目が離せなくなって、4時間の実況動画をぶっ続けで観てしまいました。
自分がプレイしてなくても観てるだけでこの中毒性…こりゃあメチャクチャヤバいゲームが来たぞ…クッキークリッカー以来の麻薬ゲームじゃないのか…と思いました。
ぶっちゃけた話、ここ数日は寝ようと思って布団に入って目を閉じても、頭の中にVSの画面が浮かんできてしまいます。(ヤバすぎる)
ついついもう一回遊んでしまう中毒性と言えば…そういえば私は数日前に「「ついやってしまう」体験のつくりかた」(以下、つい本と略す)という本を読んで、記事も書いたばかりです。
VSについても、つい本の”直感のデザイン”や”驚きのデザイン”で説明が付けられるんじゃないのか?という観点でVSの魅力を分析してみたいと思います。
Vampire Survivorsの”直感のデザイン”
つい本では、「プレイヤーが自分で直感するという体験が面白いからプレイヤーはゲームを遊ぶ」と書かれています。
たとえば、マリオのスタート時の画面は要素が少なくて非常にシンプルです。
VSのスタート時の画面も、マリオと同じようにほとんど要素が無くて非常にシンプルです。
つい本によれば、ゲーム開始時の画面はシンプルであればあるほど、アフォーダンス(○○すればいいのかな?)を伝えるためのシグニファイア(アフォーダンスを伝えるための情報)に気付きやすくなり、直感のデザインとして優れています。
画面をモリモリに盛ってリッチなグラフィックスにすれば、まあパッと見は面白くなるでしょうが、シグニファイアが隠れてしまって、プレイヤーは何をすればいいのか直感しづらくなるので、直感の体験デザインは劣化します。
かと言って、アフォーダンスを優先して画面をシンプルにすると、パッと見は面白くなさそうになるので実際に触ってみないと中々面白さに気付きにくい感じになります。
そういう意味で、VSの画面の詰まらなそうさはむしろ直感のデザインが優れています。
また、VSはあんまり見た事のない感じのゲーム画面なので、よくある感じのゲームと違ってプレイヤーの学習は”白紙”から始まります。
ありがちなゲームは、「前に遊んだゲームと同じだな~」と思うので、操作は分かりやすいですが、最初から答えが分かってる状態ですから、自分が直感していく体験の気持ちよさは味わえないでしょう。
”まったくなんも分からん”白紙の状態から直感で学習していく方が気持ちいいはずです。
とは言え、マリオの最初の画面には”右に行け”というシグニファイアが仕込まれていたのに対して、VSではこの時点では本当に何をすればいいのかさっぱり分かりません。一切説明もなく始まるので、「は?」という感じで困惑してしまいます。
しかし、困惑してるヒマはありません。ゲーム開始から2秒で、なにやら敵らしきコウモリがワラワラと寄ってきます。↓
こんな恐ろしげな敵が寄ってくると、大多数のプレイヤーは「敵だ!こわい!逃げたい!」と思うでしょう。つまり、”コウモリの敵が寄ってくる”というシグニファイアによって、”逃げたい”というアフォーダンスが起きます。
ここでプレイヤーが移動方法に気付けるかどうかがポイントになります。ゲームに慣れてる人ならキャラはキーボードのWASD(方向キーでもOK)、あるいはパッドの左スティックで移動できる事に気付くでしょう。
マウスで移動しようとする人もいるかもしれませんし、逃げる必要性に気付かない人もいるかもしれませんが、そういう人達もゲームオーバーしたりしてる内に最終的には正しい移動方法を試行錯誤で学習してくれるでしょう。
マリオだと自分が右に行くという事に気付かないと敵が出てこなかったのに対して、VSでは何もしなくても勝手に敵の方から寄ってきてくれるので親切かもしれません。
次のステップです。敵がワラワラ出てきて寄ってくるのと同時に、何もボタンを押してなくても勝手に攻撃らしきものが出てる事にプレイヤーは気付くでしょう↓
大抵のプレイヤーは、この”自動攻撃”のシグニファイアによって、”これを敵に当てれば倒せるかな?”というアフォーダンスが起きます。
実際にムチ攻撃を敵に当てると敵がダメージを受けて消えます。
敵を倒した事で、プレイヤーは、「自分が”直感”して、”試行”した事は正解だった!」と”歓喜”します。
これでゲームの最初の直感のデザインが完全に機能しました。
普通のゲームだと、「どのキーを押せば攻撃できるんだ?」とかプレイヤーはパニクりがちですし、マリオでもAボタンでジャンプできる事に気付かないといけませんが、VSは何も押さなくていいのでラクです。
ちなみに、ゲーム開始時からまったく操作しないで放置してると、上からやって来る最初のコウモリは勝手にムチに当たって死んでくれます。(ココ重要)これにより、まったくこのゲームが何なのか分からん…と言って何も操作しなかったプレイヤーも流石にゲームについて色々気付いてくれる事が期待できます。ただし、その次の下からのコウモリは倒せません(ムチが当たらない)ので、それでもまだ放置していたら主人公はすぐ死にます。
そういう意味では、初期キャラがアントニオで、初期武器がムチなのも、敢えてそうしてる気がしますね。これが初期武器が魔法の杖だったら割と移動無しでも敵が倒せちゃったりして、このゲームが一体何なのかがなかなか伝わりづらくなるかもしれません。
VSではウザいチュートリアルでアレコレ命令されたりしません。
ノーヒントでいきなり始まるにもかかわらず、プレイヤーの直感だけでゲームが理解できる(理解させられるハメになるとも言う)のもマリオと同様に素晴らしいです。操作方法が移動だけでシンプルなおかげですね。というかマリオより使うボタンが少ないです。
というわけで、ゲーム開始10秒でプレイヤーはゲームのプレイ方法をバッチリ学習できました。ハッキリ言ってここまで完璧に”直感のデザイン”をワークできているゲームは少ないでしょう。
「ホンマにそんな風に上手い事行っとるのか?」と思う人は、色んな人の実況プレイ動画を観てみてください。
例えば、先ほどのころね氏の動画を観てみると、ゲーム開始時点では「お~」と言って何だか分かってない様子です。
しかし、すぐに敵が押し寄せてくるので、逃げなければなりません。プレイ開始5秒時点で左キーを押して、自分が移動できる事を発見します。
そして、敵に囲まれないように逃げている内に、7秒時点でたまたまムチが敵に当たって、「あ~なるほど当てるのね」と言っていて、攻撃方法に気付きました。
ここで、プレイヤーが直感して試行するんじゃなくて、偶然たまたま仕組みに気付くパターンはアリかナシか?という問題がありますが、つい本にはそれについて書かれてません。
とは言え、たとえばマリオでは、1-1で最初のキノコを”取りたくなくても絶対取ってしまう”ように仕組まれてるそうです。↓
http://damedamepg3q.web.fc2.com/game_stu1.html
何も知らないプレイヤーが初めてキノコアイテムを見た時に、”取りたい!”と思うか”避けたい!”と思うかは人それぞれです。だってキノコを取るとパワーアップって冷静に考えるとよく意味が分からないし。
という訳で、プレイヤーが直感できない時にも、偶然たまたま発見できるように仕向けるのも直感のデザインとしてアリっちゃアリという事にしておきます。
VSで敵が落とした経験値ジェムを集めると、画面上のEXPバーが伸びてって、溜まるとレベルアップする、みたいな要素も、相当注意深いプレイヤーじゃないとすぐには気付かないと思います。
大抵は「なんかよく分からんけどレベルアップしとる~」みたいな感じじゃないでしょうか。差し当たってはそんなんでもプレイに支障ありませんし、しばらくプレイしてれば段々「経験値ジェム取るとレベルアップするらしいな」と察しが付いてくるでしょう。
というわけで、つい本で書かれている、「マリオは全く説明が無いけど、プレイヤーがどんどん直感していける体験ができて、それが面白いからゲームを遊んでしまう」という”直感のデザイン”の話はVSにもバッチリ当てはまります。
VSをついつい遊んでしまう理由の一つはそれでしょう。
Vampire Survivorsの”驚きのデザイン”
つい本では、「直感→試行→歓喜の直感のデザインは強力だけど、それだけだとプレイヤーは飽きるので、直感→試行→間違いという驚きのデザインも入れる事で、ついハマッてしまうゲームになる」と書かれています。
VSにももちろん驚きの要素が入ってます。
プレイヤーはプレイ開始から1分くらいで慣れてきて「なるほどね。このゲーム完全に理解した」とか思い始めますが、ちょうど開始1分から出現するのがボスモンスター(ここでは白いオーラを纏ったコウモリ)です。
今までザコ敵を1撃で倒せていたのに、ボスは全然死なないのでプレイヤーは「ウソだろ!」と驚きます。
ボスを倒すと宝箱を落としますが、まあプレイヤーはボスと宝箱の因果関係にはすぐには気付かないかもしれません。
宝箱を取るとド派手な演出が始まって、やっぱりプレイヤーは驚きます。
ゲームの2分経過時点で、やっぱりまたプレイヤーは慣れてきて「完全に理解した」と思いますが、今度はコウモリの群れが凄い速度で押し寄せてきてプレイヤーはまたまた驚きます。
3分経過でスケルトン、4分でゴーストという新しい敵が出てきますが、まあ今までのザコより堅かったりしてちょっと驚きます。
5分経過で花に包囲されるのとでかいカマキリのボスの出現で、プレイヤーはまたまた結構驚かされます。
9分時点で出現するでっかいコウモリは、急にすごい固い敵なのでやっぱり勝手が変わって驚かされます。
10分時点でまた花に包囲されますが、さっきは途中で消えてくれたから、また消えてくれるでしょ?と思ってたら、今回は消えてくれないのでやっぱり驚かされます。
11分時点ではありえないくらいスケルトンが大量に湧いてきて、結局驚かされます。
12分時点で出てくる人狼の敵は、でかいコウモリの時と同じく、急にメッチャ固いので驚かされます。
というわけで、この辺まではレベルデザインの工夫で常に驚かされっぱなしになりますが、15分超えたくらいからはプレイヤーが強化され過ぎてゲーム性が変わってきてしまうので、あんまり驚きは無くなります。
まあそれでも、武器が進化したりして、強化され過ぎて驚くみたいな要素はあります。
また、スパイシーチキン(正式名称は知らない)とかロザリオ、経験値引き寄せ玉などのアイテムを初めて取った時もプレイヤーは驚きます。
このような驚きのデザインによって、プレイヤーはVSを”つい夢中になって”プレイしてしまいます。
攻めから逃げ、常に変化を強いられるプレイスタイル
つい本とは関係ない話ですが、VSにはゲームデザインの王道である”リスクとリターン”の要素があります。
つまり、”敵キャラが同時にリソースでもある”という事です。
例えば、マリオでは、ノコノコは厄介な敵ですが、踏みつけてしまえばカメの甲羅という攻撃アイテムに変わります。
星のカービィでも、厄介な敵も、吸い込んでしまえば他の敵を攻撃する手段に変えられます。
塊魂でも、大きな障害物も、自分がそれ以上に大きくなってしまえば巻き込めるアイテムに変わります。
同様に、VSでは、敵を倒すとプレイヤーキャラが成長できる経験値ジェムを落とします。
普通にRPGのように考えると敵を倒した時点で経験値取得できそうなものですが、敵を倒す事と経験値の取得を別々に分けたのがこのゲームのすごい所です。
敵の大群が出現すると、ピンチではあるものの、同時に大量に経験値を獲得するチャンスでもあり、つらいけど嬉しい…という感じになります。
ボスは手ごわい分、宝箱をくれますから、リスクが大きい分、リターンも大きいので、こわい…けど嬉しい…みたいな感じで情緒が大変になります。
VSでは、最初は敵がなかなか倒せないので、ひたすら敵から逃げ回る立ち回りをするハメになります。
でも、本当なら敵から逃げるんじゃなくて、こっちから敵に向かっていきたいところです。
何故なら、敵から逃げ回っていると、敵の大群の下に経験値ジェムや宝箱を置き去りにするハメになります。本来なら敵に向かっていって、どんどん敵を倒して経験値や宝箱を取っていきたいというのに。
この場合、敵から逃げて敵を引き付けてから、ぐるっと回り込んで経験値や宝箱を回収するような回りくどいムーブをするハメになります。
ですが、どんどんレベルアップして、主人公の殲滅能力が敵の進行速度を上回った時に、逃げ回るハメになってた状態から一転して、こっちからどんどん敵に向かっていってガンガン経験値回収しまくれる瞬間が訪れます。
これは、パックマンで言うと、ひたすら敵のゴーストから逃げ回っていた状態から、パワーエサを取った瞬間に一転攻勢でゴーストを追い回す側に回る気持ちよさみたいなもんです。
とは言え、でっかいコウモリとか人狼みたいに急に新しい固い敵が出てくると、舐めきって敵を追い回してた立場から一転してまた逃げ回る側に回るハメになります。
このように、逃げから一転して攻め、と思いきやまた逃げに切り替わるハメになるゲームのスイッチングの面白さについては猫又おかゆ氏が実況プレイで言語化していました。
Vampire Survivorsの”物語のデザイン”
「VSに物語がある」なんて思ってる人は一人もいないかもしれません。VSにはシナリオらしいシナリオは存在しません。
しかし、つい本では、”ゲームデザイナーが本当に描くべきゲームの物語というのは、ゲームシナリオではなく、プレイヤー自身を成長させる体験だ”としています。(シナリオはその体験を生み出す手段に過ぎない)
VSは、キャラを移動させるだけのシンプルなゲーム性にもかかわらず、ゲームプレイヤーはメキメキと”成長”してプレイが上達していきます。
初回プレイでは3分しか生存できなかったプレイヤーでも、次は4分、次は6分と上達して長く生存できるようになって行きます。
つまり、VSはプレイするほどプレイヤー自身がガンガン”成長”するゲームです。
つい本で取り上げられている、プレイヤーを成長させるためのゲームデザイン要素として、”収集のモチーフ”と”選択のモチーフ”があります。
VSではプレイ中にひたすらレベルアップと宝箱を目指す事になりますが、どちらでも結局のところ武器やアイテムを”収集”するのが目的です。
そして、レベルアップ時には、入手するアイテムをランダムな3択から”選択”します。
VSにおけるプレイヤーの成長は、移動時の立ち回りの上達という面もありますが、入手アイテムの”選択”が上手くなる事で、かなり生存時間が変わってきます。
プレイヤーはレベルアップのたびに何をアップグレードするか”選択”しまくったわけですから、途中で火力不足で敵に囲まれてゲームオーバーになっても、「なんやこの理不尽ゲー!」と怒るよりも、「自分の選択が良くなかったかな…次はもっと上手くやれるはず!」と感じて、ついついリトライしてしまいます。
プレイヤーは、最初は見た事ない色んなアイテムを片っ端から試して試行錯誤している状態でしたが、強いアイテムの選別や、強化のタイミングなどをメキメキ学習してメキメキ上達します。
このように、プレイヤー自身がメキメキ成長するという体験、これこそがゲームが与えるべき物語のデザインだという事です。
どうしてVampire Survivorsの実況動画を釘付けで観てしまうのか?
どうしてVSの実況動画には中毒性があるのか?という話です。
VSは常に敵の群れをかわしながら移動し続けるハメになるゲームです。というかむしろプレイヤーは移動操作しかできません。
操作がシンプルなゲームなので、動画の視聴者の方も、ついついプレイヤーの最適な移動ルートを予想して、「自分だったらあっちに逃げるな」とか思いながら観てしまいます。
自分の予想通りに実況者が移動すると、「そうそう!その通り!」と思いますし、予想と違うルートを行ってダメージを受けたりすると、「あーあ、違うのに!ちょっとコントローラ貸してみろ!」とか思います。
レベルアップ時のアイテム選択についても同様です。
ゲームがシンプルゆえに、ついついゲームプレイを常に予想してしまって、予想通り!予想と違う!みたいな、言わば疑似的に”直感のデザイン”と”驚きのデザイン”が機能してしまう事で、視聴者は自分がプレイしてるのと同じくらい実況動画に釘付けになってしまうのかな…と思いました。
私はすいませんがサッカーとか野球とかの経験が無いせいか、試合をTVで観ても何が面白いのかあまり分からないのですが、野球経験者とかサッカー経験者の方々は、試合を見ながら「自分だったらこうするのにな」と常に予測をしながら観ていたりして、だから私がVS実況動画を観る時と同じように画面に釘付けになっちゃう…のかもしれませんね。
また、たった30分のプレイ時間の間に、ゲームの主人公が凄まじい勢いで成長してパワーアップしていく様子を眺めるのが面白いという事もあるでしょう。
さらに、実況者自身もプレイを重ねる事でメキメキ上手くなって成長して生存時間が伸びていく様子も観ていて面白いので、ついつい色んな人のVS実況を観てしまいますね。
プレイヤーによって、ナイフ最高!という人もいれば、ニンニクが人権!という人もいたりして、プレイスタイルに個性が生まれたりするのも面白い所です。
つづく?
というわけで、今回の記事では「「ついやってしまう」体験のつくりかた」を元にして、どうしてVampire Survivorsはあんなに中毒性が高くて”ついもう一回やって”しまうのかを考えてみました。
こんな風に、「たしかに本に書いてる通り、直感のデザイン、驚きのデザイン、物語のデザインが使われているよね」と分析して見せる事は簡単ですが、かと言ってそれで自分がまったく斬新な面白いゲームが思いつけるという訳では無いですよね。
完成したゲームをあーだこーだ分析するのとゼロベースでゲームをデザインするのでは全然違います。
ただし、ゼロベースでゲームをデザインできなくても、例えばじゃあこのVampire Survivorsをアレンジするとしたらどうすればもっと良くなるか?みたいな事を考える際には、このような分析のフレームワークが役立つこともあるでしょう。
今回の記事についてはこれで終わりですが、このゲームについてはまだまだ語りきれてない事が一杯あると思います。シンプルなゲームなのに奥が深いです。
例えば、今回の記事で書いた内容は、VSの一側面としては合ってると思いますが、しかしVSはゲーム終盤になると、まったく今回の内容に当てはまらないような放置ゲー的な別ゲーに変貌します。VSはクッキークリッカーみたいなゲームだという人もいます。そういう話もしたいところです。
他にも、VSを語る上で外せない要素として、射幸心煽りまくりな点にも触れたいところです。宝箱の演出もそうですし、ゲーム終盤なんて完全にパチンコの連チャンジャラジャラ脳汁ドバドバな感じになっちゃうし。
さらに、VSには元ネタのMagic Survivalというゲームがあるのですが、この元ネタとVSを比較してみるとどうか?みたいな話も面白そうです。
というわけで、気が向いたらまた別の観点からVSについて記事を書いてみるかもしれません。